しつけの基礎

子犬のしつけの基礎知識

子犬が人間社会で幸せに暮らせるために。。。
犬のしつけは、飼い主の責任です。
子犬が人に愛され、人間社会で幸せに暮す為には、甘やかすばかりでなく、人間社会のルールをしっかりと教えてあげる事がとても大切です。
決してあきらめる事無く、粘り強く、そして愛情をもってしつけて行きましょう!

しつけない=飼いづらい=人間も犬も不幸せ!

「可愛いから。。。」だけで、子犬を甘やかせ続け、しつけしないで育てるとどうなるでしょうか?
上下関係や善悪を教えていないのですから、当然のように飼い主の言う事は聞きません。「飼い主の言う事が聞けない」状態に育ててしまうと、トイレを覚えない、無駄吠え・要求吠えが止まらない、威嚇行動、引っ張り癖など、あらゆる問題行動を起こすようになります。
飼い主を上位者と認めていないのですから、当然の事です。
「飼い主の言う事を聞けない=飼いづらい」。家中にいても、お留守番をさせていても、一緒に外出しても、飼い主の気が休まる事はありません。お留守番が出来なければ、外出すらできない。。。最悪の場合には、その存在自体が飼い主のストレスとなってしまう事につながります。
一方、犬はどうでしょう?「トイレを覚えていないから、いつも怒られてばかり。」「他の犬吠えるから、お散歩にも連れて行ってもらえない。」「ドッグカフェに行ったり、家族と旅行なんて論外。」 ストレスが溜まる一方です。マナーを覚えていれば、もっと沢山の犬友が出来て一杯遊べたかも。。。もっと色々な所に遊びに行けたかも。。。
まさに「人も犬も不幸せ。」です。
基本的なしつけを、粘り強く、愛情を忘れず、時には厳しさを持って頑張れば、きっと可愛いワンちゃんとの幸せな暮らしが待っている事でしょう。

子犬の時からしつける!

できる限り早期からしつけを始めましょう。
成犬になってからは、なかなか覚える事ができません。子犬の内に、人間がリーダーである事を覚えさせれば、成犬になっても必ず人間に従順になります。
可愛いからと言って、甘やかせ過ぎたり、友達感覚で遊んだりすると、言う事を聞かなくなり、自分がリーダーになろうとします。
犬社会では、リーダーに従うのは当然の事で、リーダーがいるから安心して暮らせると感じます。自分がリーダーと思い込むと、その責任感を感じる事になります。ゆったりと暮らす事ができず、そのストレスが健康を脅かす事にもつながりかねません。

子犬の性格を考えてしつける!

子犬にも色々な性格の子がいます。しつけがなかなか上手く行かない典型的な性格は、「神経質で臆病」と「活発で傲慢」なタイプです。
「神経質で臆病」な子犬に、厳しく叱ってしまうと、飼い主を恐がるようになり上手く行きません。ゆっくりと時間をかけて、やさしく教えて行く必要があります。
「活発で傲慢」な子犬は、大げさ位に褒めてしつける方が早道です。
しつけは、メリハリが一番重要です。怒っているのか、褒めているのかが、犬にしっかりと伝わるように、表現してあげましょう。

しつけを諦めない!プロのアドバイスも検討!

子犬の内から正しいしつけを続けてあげれば、大半の子は覚える事ができます。中には、いくら頑張っても覚えてくれない子もいます。しつけ方法が間違っている場合も多く見受けられます。
大切なのは、先ず「飼い主が諦めない事!」です。そして可能であれば、しつけ教室や出張訓練などで、プロに指導してもらう事も検討しましょう。
犬だけを預ける教室ではなく、飼い主も一緒に参加できる教室を選び事が大切です。
飼い主が一緒に学ぶ事によって、継続的なしつけが家庭内でも行う事ができます。プロのアドバイスのもと、犬の性格にあったしつけを行う事で、より一層効果的です。
しつけ教室にも色々ありますので、近隣の口コミをもとに、しっかりと事前に調べて、自分にあった教室を選びましょう。

ポイントその1. 服従訓練が大切!

飼い主がリーダーになる事が重要

しつけをスムーズに行う上で、「マテ」 「スワレ」などの命令に従わせる、服従訓練が重要です。
威圧的に命令に従わせる事を目的とするのではなく、飼い主がリーダーである言う事を覚えさせる事を目的とします。
犬は元来集団で生活する動物です。その集団の中には、必ずリーダーが存在し、そのリーダーが絶対であり、本能的にそのリーダーに従います。従う事がストレスどころか、リーダーが存在する事によって、秩序に守られリラックスして、ストレスを感じずに生活する事ができるのです。
服従訓練とは、「オテ」「スワレ」「マテ」などの命令を通して、飼い主が上位であり、リーダーだと覚えさせる訓練です。子犬の内から行う事で、犬は飼い主をリーダーと認め、安心して生活します。
犬社会ではリーダーの言う事は絶対ですから、その後のしつけもスムーズになります。

ポイントその2. 基本を教える!

犬の性格をしっかりと理解する

子犬の性格を把握すると、随分しつけがしやすくなります。
良く吠える子には、「何故吠えるのか?何に吠えているかのか?」。いたずらの多い子には、「何故いたずらをするのか?」。遊ぶ時間が足りなくて、ストレスを感じているのかも知れません。
叱りすぎもストレスの原因になります。 とても繊細な動物なので、叱る時は怖がらせ過ぎないよう、特に注意が必要です。

良く褒める

大切な事は、「良く褒める!」と言うことです。子犬は褒められると、とても喜びます。犬は、叱られる事と褒められる事で、善悪の分別が理解できるようになります。上手くできた時は、「すかさず!少し大げさ位!」に褒めてあげると、早く良い行動を覚えてくれるでしょう。
犬に対して褒めるときも叱るときも、飼い主がいつも同じ調子や素振りでは、犬は褒められているのか叱られているのか理解できません。メリハリが大切です。

掛け声や動作を家族で統一する

家族内で、掛け声や動作を統一する必要があります。バラバラだと、犬が混乱してしまい、理解をする事ができません。「オスワリ!」なのか「スワレ!」なのか?予め決めておくようにしましょう。

あきらめない!そして反復練習

飼い主があきらめてしまうと、勿論の事ですが、犬も覚えようとしません。どんな子犬でも、繰り返し粘り強く反復練習すれば、必ず出来るようになります。

ストレスをためさせない

普段からストレスをためさせない事が大切です。 ストレスが溜まると、反抗的になったり、言う事を聞かなかったり、物を噛んだりと、イタズラをするようになります。
そのような状態でしつけを行っても効果があがりません。普段から良く遊んであげて、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。叱り過ぎもストレスの原因となりますので注意しましょう。

基本動作① 「お座り」

まず、子犬の目をじっと見つめます。これは、どのしつけにおいても重要な事です。
そしてドッグフードやお気に入りのおもちゃなどを目の前で見せ、頭の上にもって行き、お尻を軽く押さえます。そうすれば、子犬は自然と座りますので、キチンと座った段階で、「お座り!」と掛け声を掛けます。そして大げさに褒めます。ご褒美をあげてもかまいません。
これを繰り返して行く内に、おもちゃ等がなくても、掛け声で座れるようになります。

基本動作② 「伏せ」

「伏せ」の教え方は、「お座り」と全く同様です。「お座り」が出来た状態から、ドッグフードを前方の床に持って行くと、犬は自然と伏せます。その状態で「伏せ!」と掛け声をかけ、褒めてご褒美。。。を繰り返します。

基本動作③ 「待て」

「お座り」「伏せ」ができるようになったら、「待て」を教えます。犬を静止させる重要な掛け声ですから、少し強めで鋭い口調で掛け声をかけるようにします。
「お座り」が出来た状態で、最初は片手を伸ばして犬を抑えるようにして「待て!」と言います。前に出ようとせず、座ったままでいる事が出来たら、すかさず褒めます。そして掛け声を掛けたあと、少しずつ距離を空けて行くようにします。数秒待つ事ができたら、戻って褒めてあげます。距離を変えたり、場所を変えたりしながら、繰り返していきます。

基本動作④ 「来い」

「来い」の掛け声は、優しく呼び寄せるような口調で行います。名前で呼び寄せるようにしつけても構いません。最初はリードをつけて「お座り」させて「待て」。リードの届く範囲まで離れて、「来い!」と優しく呼び寄せます。少しリードを引っ張りながら呼び寄せても構いません。
近づいて来たら、すかさず褒めてご褒美をあげましょう。少しずつ距離を離したり、場所を変えたりしならが、繰り返していきます。

基本動作⑤ 「ハウス」

「お座り」「伏せ」「待て」「来い」が出来るようになった段階では、犬は既に飼い主をリーダーとして認めている状態になっています。ここまで来れば、後のしつけはとても楽になってきます。ハウスを指差して「ハウス!」と強めの掛け声をかけます。犬が近づいて来たら、押しながらハウスに入れます。そして褒めてご褒美をあげます。これを繰り返し行います。

ポイントその3. トイレのしつけ!

失敗するのは当たり前!叱らない、騒がない。

まず大切なことは、トイレをするタイミングを見逃さないことです。「起きた後」「ご飯を食べた後」「遊んで興奮した後」。この様なタイミングで行動をよく観察をしましょう。床の匂いを嗅ぐ・くるくる回る・そわそわするなどの行動が見られたら、すぐにトイレに誘導し連れて行きましょう。
上手に出来たら褒めてあげます。ご褒美をあげても構いません。失敗を叱ったり、騒いだりすると、トイレをする事自体が悪い事と覚えて隠れてするようになったり、遊んでくれているのと勘違いして、わざと失敗するようになり逆効果です。失敗した時は無言でサッと片付け、成功した時は大げさ位に褒める。これを粘り強く繰り返して行きましょう。

ポイントその4. 問題行動へのしつけ!

犬のせいにせず、飼い主に責任がある事を自覚する。

「無駄吠え」「噛み癖」「飛びつき」「引っ張り癖」などの問題行動は、近隣や他人への迷惑や事故、怪我の原因となります。可愛いからと言って過保護にして育てると、当然「わがまま」に成長します。これは犬の問題ではなく、明らかに飼い主の問題です。良い事をした時に褒められ、悪い事をした時は真剣に叱られる事によって初めて、犬は善悪を覚えて行きます。
最初から善悪を理解している子犬などいるはずもありません。それを導いてあげるのは飼い主の責任です。犬が人間社会で幸せに暮らしていく為に、そして飼い主自身にとっても、問題行動に対するしつけは、とても重要です。

瞬時に厳しく叱る。

問題行動をした場合は、瞬時に真剣に叱る事が大切です。例えば、噛み千切った電気コードを後から発見して叱っても、犬は何に対して叱られているのか理解できません。瞬時に叱って、問題行動を止めたら、すかさず褒めてあげましょう。
厳しく叱っても改善ができない場合、ストレスや欲求不満が原因している恐れもあります。叱ってばかりでなく、普段からお散歩や遊んでコミュニケーションを取ってあげる時間をしっかりと持てているかを考えてみましょう。これも飼い主の責任です。

問題行動① 無駄吠え

無駄吠えと言っても原因はそれぞれ違います。
・他の犬に吠える。(威嚇・恐い・遊びたいなど)
・掃除機やドライヤーが恐くてほえる
・人に吠える(恐い、かまって欲しい・餌が欲しいなどの要求)
などなど様々な原因がありますので、まず自分の犬が何に対して吠えているのかを理解する必要があります。その上で原因になる元を取り除いていかなければなりません。
ひとつ言っておきますと、犬は吠えるものだと理解しておいてください。
完全に吠えなくすることは出来ません。
無駄吠えを治すには、吠えた瞬間に叱ることがとても大事になります。
要求吠えの場合は、無視をすることが効果的です。要求吠えに答えてしまうと、ますます吠えて要求するようになってしまいますので吠えても良いことがないと教えていきましょう。

問題行動② 噛み癖

子犬の内は、どの子も甘噛みがあります。甘噛みは自然と解消されますが、この甘噛みをしている時に、人間を噛んではいけないと言う事をしっかりと教えておかなければなりません。子犬を厳しく叱る必要はありません。子犬が遊んでいる最中にじゃれて甘噛みしてきたら、びっくりさせるような声のかけ方で、『あ!!』『いけない!』『痛い!』と大きな声を出し自分の手の動きをとめ、それまでしていたことを中断し、無視をします。甘噛みをやめたら、また遊んであげましょう。
物を噛む場合は、現行犯で瞬時に叱ります。事後に叱っても全く効果がありません。それ以前に、噛まれて困る物、そして危険な物は飼い主の責任として片付けておきましょう。噛んだ事を叱るばかりではなく、噛んで良いおもちゃやガムなどを与え、ストレスを解消させてあげる事を忘れてはなりません。

問題行動③ 引っ張り癖

お散歩の時に引っ張るのは、飼い主をリーダーとして認めていない証拠です。基本動作をしっかりとしつけて、飼い主をリーダーして認めさせる事が大切です。
「お座り」「待て」ができるのであれば、犬が前を歩こうとしたら、座って待たせた状態で、犬の前に行き「後(あと)!」と掛け声をかけます。後ろにいる事ができたら、褒めてご褒美を与えます。
基本動作ができていれば、「あと」や「つけ」は比較的簡単に覚えてくれるでしょう。

問題行動④ 飛びつき

飛びつきは、犬が人間に対して好意を示す行為ですが、思わぬ事故につながる恐れがあります。特に大型犬の場合は、しっかりとしつけておく必要があります。
まず犬が飛びついてきたら、両手で突き放します。それと同時に目を睨みつけ「イケナイ!」などと厳しく言い聞かせます。これを繰り返して行くと、犬が飛びつくことをためらうような仕草を見せるときがありますので、その時にすかさず思いっきり褒めてあげてください。

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